穏やかな昼下がり、
私たちは花びらの舞うように
音羽ノ森のゲートをくぐる。
海を眺めてティータイム。
水面の煌めき、穏やかな波音、柔らかい風。
自然からの祝福を全身でうけとめる。
サンセット。
それはまるで宝石箱のようだった。
心高まる私たちのすべてを
優しく包んでくれた。
両家で集う、前夜の晩餐。
これまでの歩みをひとつひとつ振り返る。
夢にみていた夢のような時間。
親の笑顔を見ていたら気持ちが溢れた。
今日くらい溢れてもいい。
人生に一度の奇跡の時だから。
光と波音で目が覚めた。
手を繋いで海辺を歩く。
穏やかな海、穏やかな君、穏やかな私。
風と光を纏い、最初の準備がととのう。
バルコニーでの朝食は憧れの映画のようだった。
笑顔でしかいられない。
やはり今日は、奇跡の時。
彼と離れてメイクへ向かう。
待ち遠しかったこの時間。
私に素敵な魔法がかかりますように。
時計が12時を教えてくれた。
私は目をつむり 静かにこの時を待っていた。
もう、大丈夫。
生まれた瞬間から憧れていたこの時。
これまでの幸せと これからの幸せを繋ぐ時。
ひとつひとつの幸せに心を浸すように
この時を永遠で包みたい。
これまでの日々の、ご褒美のような二日間。
すべてにお礼を伝えたい。
そして心の底から思った。
優しくて美しい日々を重ねていきたい、と。